小指に力を込めて

野が哭いて、風が叫んでいる。
しっとりと重いソレは、まるで川の流れのよう。
風の中へ、両の腕を左右へ広げてみる。
私の翼は不器用で、
 上手に風を掴めない。
私の体は重すぎて、
 空を自由に遊べない。
けれど私の心だけは、
 いつだって羽ばたくことができるよ。
雨上がりの夕焼けの中で、
そっと小指に力を込める。


台風がきて風が重い記念
ちょっとタイフーン・ハイだった。