彼は朝起きるとお仏壇に手を合わせる。
特に信心深い訳ではないらしい。
お経を読める特技もない。
長男だからと受け継いだお仏壇、
お墨さんは私が供えてある。
実家は広くなく、
仏間が彼の部屋だったそう。
普段は私の方が早く朝起きる。
二人ともご飯党なので、
炊飯器は毎朝の目覚まし替わり。
ところで彼は、異常に寝相が良い。
特に夏場はスゴい。
お腹までタオルケットを掛けて、
その上に手を重ねる。
息が静かにすぎるので、
はた目には永眠しているよう。
こっそり私は、手を合わせてみる。
そろそろタオルケットも終わりかと迷う記念
羽毛布団は絡まなかった。