Nipponia nipponといえばトキの学名だ。
では、日本のカワウソはと調べてみて驚いた。
大雑把にいうと、種(亜種)として確定していない。
私が持ってる学生版動物図鑑(昭和6年刊)では、
「かはうそ」:Lutra lutra lutra
つまり、ユーラシア カワウソと同種と扱われている。
ネットで見てみると、
ニホン カワウソ@wiki:Lutra lutra nippon
カワウソ@wikiのニホン カワウソ:Lutra lutra whiteleyi
どうなってる?
もう少し調べてみたところザックリいうと、
「ニホン カワウソが絶滅してしまったので、ユーラシア カワウソと独立した種or亜種かどうかよく分からない。」
ということらしい。
トキやコウノトリがそうであったように、
かつては日本中どこにでもいた哺乳類。
けれど、1990年代に絶滅してしまい、
今や日本人からその存在さえ忘れられようとしている。
下の本が面白かった。
自然保護を訴えるのではなく、
カワウソと人との関わり、とその意義を問うている。
ニホン カワウソの過去と未来を、
日本や朝鮮また欧米の事例と比較している。
トキのように「再導入」することや、その意義さえ、
ニホン カワウソでは問題だらけのようだ。
それでも、いつか日本の河川・海岸で、
再びカワウソが見られるようになるといいなぁ。
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安藤 元一 ニホンカワウソ 絶滅に学ぶ保全生物学 ISBN 978-4-13-060189-4 2008.11 [ bk1 / amazon |
ちなみに「ラッコ」はアイヌ語で、元々北海道にも居たそうだ。
英名はカワウソがOtterで、ラッコがSea otter。
どちらもイタチ科。