そこにあるものが絶望だけだとしたら

TISTA 1
遠藤 達哉
出版 : 集英社
ISBN : 978-4-08-874490-2
発行年月 : 2008.6
TISTA 2
遠藤 達哉
出版 : 集英社
ISBN : 978-4-08-874570-1
発行年月 : 2008.9

感想がこの文章の目的ではないので、内容については、勝手ながら次をご覧下さい。
たまごまごごはん 未来が明るいほどに、広がる少女の闇。ジャンプSQ「TISTA」
いいマンガなんです。
以下は、「うつ」の私の自分語りなので、
「TISTA」に興味を持った方は先を読まないことをお勧めします。
連載時にちょっと気になっていたんですが、
何か引っかかるところがあってそのときはスルー。
実のところ、先週まで忘れていました。
先週末に「TISTA」を買ってきて読みました。
ちゃんと読んだのは初めてです。
それから一週間、かなりトーンダウン、ちょっと落ち込みました。
「TISTA」は哀しい物語です。
主人公のティスタ・ロウンは大学教育学部の1年生。
それと同時に教会の裏の組織の騎士として、
彼らの言う「悪人」を暗殺するスナイパーとして活動しています。
幼い頃、強盗に両親を殺され教会に引き取られ、
騎士として育てられるそれは逆らえない運命であるだけではありません。
両親に虐待され、その死を望んだ彼女は自らの罪を背負いつづけます。
そして、出会ったアーティーに感情を揺すぶられるティスタ。
しかしそれは恋ですらありません。
物語は非情に展開し、ティスタは半死半生で逮捕されます。
けれど、最後のそこには救いがありました。
私が落ち込んだのは、このお話が哀しいからではありませんでした。
ティスタが誰かに似ていると思っていたのですが、
最後まで読んで気がついたときに、少し驚きました。
私が考えていた物語の主人公に似ていたんです。
彼女リアーフは幼い頃に両親と姉妹を失い孤独の身となります。
厳しい生活の中で、やがてリアーフは自らの感情を閉ざし、
瞳からは色を失い、女であること(月のもの)も亡くし、
まるで機械のように使命を真っ当しようとします。
そして、それが成されたとき、彼女には何も残りませんでした。
そう、リアーフには救いがないのです。
別の物語のなかで間接的に出てくるリアーフ、
なぜ彼女はそのような運命に出会ったのか、
遡って考えていったのが、リアーフの物語でした。
この物語の骨格がまとまったとき、
私は自分がなんて残酷なんだろうと思いました。
高校生の頃から物語を考えるようになりました。
箱庭療法のように、自分が何を感じているのか、
考えているのか、振り返ってみるとその時の自分が分かります。
意識的にそういうことをしていました。
プロの物書きになるつもりはなかったので、
これらの物語を読んだ人がどんな印象を受けるか、
とかそんなことは考えたことがありませんでした。
せいぜいプロット程度にまとめて、
web日記に載せていましたが、
これって何なんでしょうね。
そして救いのない物語を造っている私って。
ゆっくり考えていきます。