□ 思い出したこと
「思い出エマノン」 のエマノンは40億年の記憶を持っています.
ふと思い出したのですが,私も以前に「5億年の歴史を内包する」人を考えたことがありました.
話はこうです.
時間に取り残された人々の一団がとある惑星にたどり着きます.
そこで彼らは,先住民に出会います.
それは,人によく似た,しかし大きな翼と尻尾を持った”竜人族”の末裔でした.
竜人族は,個人の記憶を遺伝子の隙間に焼き付け,それを代々受け継いでいきます.
そうして長い記憶の物語を紡いでいく語り部の一人,クレイオは5億年に及ぶ銀河史を語る力を持っています.
また,竜人族の話す言葉はめまぐるしく変化するため,「生まれてから死ぬまで決して同じ言葉を使わない」と言われます.
その言葉は円環状の遺伝子から発せられ,彼らには会話と音楽の区別が無いのです.
そして,人はその言葉を理解することは出来ません.
竜人族の役割は「語り部:時空を超越した存在からの案内」,「後見人:人類を導き育てる存在」,そして「壁:人類が闘い,乗り越えるべき存在」です.
この一連の物語の中で,彼らには更に悲壮な運命が用意されています.
架空叢書案内.4
「ハ-バ-ドおばの犬」
おばがその犬にコルリと名前を付けたのは,その犬がコルリ種だったからだった.
おばはそういう人だった.
ハ-バ-ドおばとコルリの織り成す一風変った日常生活のポ-トレ-ト.
言葉の音訳,といっても一概ではありません.
モービル,モビール,モバイルやローカル,ロケールや.
文化的な背景や,時代によっても変わるようです.
Corlyがコリーなら,コルリでも小瑠璃でもいいじゃないか.
ただそれだけのことなのですが.
1988 -『四十と八の物語』より