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とらドラ! 10 電撃文庫 竹宮 ゆゆこ著 出版 : アスキー・メディアワークス 発売 : 角川グループパブリッシング サイズ : 15cm / 246p ISBN : 978-4-04-867593-2 発行年月 : 2009.3 |
GWに見たアニメ版の原作です。
10巻で完結でしたが、一気に読みました。
何だろう、ラノベとか純文学とかレッテルはどうでもいいのですが、
作者の登場人物への愛があるよね。
主役ではない人たちにもそれぞれ、まぁ色々あるわけで、
「書き割り」ではないわけです。
そんな当たり前の物語、
当たり前のボーイ ミーツ ガール
冒頭の一節を読んで、あぁ、いいなぁ、と思いました。
『ーーこの世界の誰一人、見たことがないものがある。
それは優しくて、とても甘い。
多分、見ることができたなら、誰もがそれを欲しがるはずだ。
だからこそ、誰もそれを見たことがない。
そう簡単には手に入れられないように、世界はそれを隠したのだ。
だけどいつかは、誰かが見つける。
手に入れるべきたった一人が、ちゃんとそれを見つけられる。
そういうふうになっている。』
(c) 竹宮ゆゆこ
物語の最後で、再びこの一節が繰り返されます。
やっぱり、いいなぁ、と思いました。
私はいまだ鬱です。
自分の中のある部分が、すっかり「空っぽ」になっています。
そして、その部分を埋めるのにはかなり時間がかかると思います。
今までずっと好きで、自然と自分の中から出てきた物語。
きちんとした形をとらず人に見せられたものではないけれど、
まぎれもなく自分の一部であった物語。
どこかでバランスを崩し、まだ物語が出てこない。
私の中のどこかの器が空っぽになって、
まだ満たされるのを待っている。
その場所を、満たすべき方法を探って足掻いているのが今の自分です。
この物語を読んで、少しヒントが見つかったような気がします。