図書館の未来と未来の図書館

本が電子媒体に置き換わるのには、いったい何年くらいかかるのだろう?
主たる図書館の本を電子化するだけでも数十年かかると思われるので、
置き換えはゆっくりと進み、100年単位になるのではないかと思う。
その間に臨界点があり、主流が電子書籍へと移行するのだろう。
今現在でも既にそう感じている世代もいるだろう。
しかし、盲目的な電子化信仰(これは宗教)は恐ろしい。
電子化されていない、され得ない情報を扱えない・無視してしまうということだからだ。
現在の日本では莫大な数の本が出版され、恐らくその大部分が数年のうちに消えてしまう。
運が良ければAmazonなどの古書屋で見つかるが、
20年も前の本になるとそれすら危うい。
電気によってシリコン チップ上に留めおかれた情報。
今後、電子化・情報化の実態がどうなるのか分からないが、
いずれは数百年・数千年の安定した保存が可能になる時代が来るのかもしれない。
しかし、今はまだ未来への希望にすぎないだろう。
そんな私の茫漠とした夢想に一つの形を教えてくれたのが、
サエズリ図書館だ。

紅玉いづき
サエズリ図書館のワルツさん 1
ISBN 978-4-06-138838-3
[ honto / amazon / 国会図書館サーチ ]

物語は第1巻、まだ始まったばかりだけれど、
どんな答えを見せてくれるのだろう?