意外なところでコンニチワ

青柳碧人, 浜村渚の計算ノート 3さつめ 水色コンパスと恋する幾何学 を読み終わり、あとがきを見ていると 北山猛邦 さんのお名前。
まぁ、意外というほど青柳さん、北山さんのことは知らないのですが、
読んで面白かったのでご紹介。

北山猛邦
人魚姫 探偵グリムの手稿
ISBN 978-4-19-863572-5
[ honto / amazon / 国会図書館サーチ ]

この本もタイトルがストレートなので、読もうかどうか結構迷いました。
結局は三ヶ月ほどしてから買って、読み終えました。
ファンタジーというよりはミステリー?
テリー・ギリアムが映画にすると “ブラザーズ・グリム” になるし、
日本人が小説にするとこの本に成るのかな。
昔読んだ童話学の本で、東洋の類型的なお伽話「鶴女房」が上げられていました。
いわゆる鶴の恩返しですね。
東洋のお話では、鶴女房のように最後に余韻を残して終わるものが多いのに対して、
西洋では、そこから話が始まり、(去っていった女房を再び)手に入れるまでがストーリーになる、ということだった。
ここでいう西洋は、正確には近代以降なのでしょう。
「本当は怖い…童話」という書籍も多く出ていますが、グリムやアンデルセンが採取した時点で既に子供向けに色付けしているようす。
日本に入ってくる欧米の情報は合理主義バリバリのものばかりですが、西洋にも当然泥臭いものがあったし、今もあるはず。
ケルトのお話なんかもそうですよね。
そういう意味で見てみると、事件のミステリーという意味はもちろんのこと、
「童話」に関するミステリーでもあるのかなと思った。