今朝NHKのニュースを見てたらビックリ!
「ニホンカワウソが絶滅」と環境省が発表した?
要約すると、
「最後の生存確認から30年過ぎたので絶滅とした」
ということだけれど、ちょっと変。
確か50年が期限だったはずでは?
と思ったので調べて直してみた。
ちなみに同ニュースで流されていたニホンカワウソの映像は、
1979(昭和54)年に四国で撮影されたもので、最後の生存確認例。
フンなどの痕跡はその後も確認されている。
実質的には1990年代には絶滅したと考えられ、
21世紀に入ってからはフンなども確認されていないらしい。
■IUCN(国際自然保護連合)と環境省の野生生物絶滅の基準は
・確実な情報がある種については
「信頼できる複数の調査によっても、生息が確認できなかった」
・情報量が少ない種については
「過去50年前後の間に、信頼できる生息の情報が得られていない」
ここで50年が出てくるわけだが、では、
ニホンカワウソは「確実な情報がある種」かどうか?
NHKのニュースでチラリと出たので気になった人も多いと思いますが、
まずニホンカワウソといっても2種(または亜種)存在します。
・本州以南個体群 (Lutra lutra nippon)
・北海道個体群 (Lutra lutra whiteleyi)
シカでいえば、(ホンド)シカとエゾシカのような感じですかね。
このLutra lutra nipponは日本ではユーラシアカワウソとは別種とされていますが、
国際的には「さらなる証拠が得られるまでは保留」となっていて決着が付いていない。
このように種としてはっきり認識されていないニホンカワウソが、
「確実な情報がある種」なのか?
環境省のページを見てもここら辺りの情報は見つからなかった。
8/28現在、ニホンカワウソ(2種共)はまだ絶滅危惧種に分類されていた。
ちなみに四国以外での本州での最後の確認は1959(昭和34)年の富山県朝日町。
北海道での最後は1955(昭和30)年、斜里町のもの。
Lutra lutra whiteleyi (生きていたらエゾカワウソと呼びたい)は、
上記の基準に従って、絶滅したと宣言されても仕方ないのかもしれない。
■追記 2012.8.29
環境省の情報が更新されていました
概要:第4次レッドリストの公表について(お知らせ 8月28日)@環境省