まだ,そこにある

小さい頃,近所に小さな本屋があって,タイサンと呼んでいました.
本当は「田井屋」というんですがね.
でまぁ,あんまり繁盛しているというわけではなくって,
マンガなんかでも古い本がけっこう置いてあったんです.
「鉄腕アトム」も朝日ソノラマ版がならんでいました.
ほんの30年ほど前なんですが.
それが朝日ソノラマ、9月に営業停止ということだそうで…
ご苦労さまでした.

海街diary 1
吉田 秋生
小学館 (2007.4)

表紙買です(笑.
情緒ありげな表紙につられて.
作者は大家さんですが,ちゃんと読んだのは初めてかも.
四姉妹(三姉妹+妹)のお話なのですが,
長女がしっかりした大人,
次女,三女が今風な大人未満(?)
四女は中学生だけどしっかり者,だけどやっぱり子供.
この対比が一つのテーマでもあり,面白いし,
「子供であることを奪われた子供ほど哀しいものはありません.」
とか,ドキッとさせられるところもあります.
よくよく考えてみると,しっかりとした大人が描かれているマンガってそんなにないですよね.
それがマンガが低く見られる理由なのかな,とか思いました.

天の向こう側
アーサー・C.クラーク著 / 山高 昭訳
早川書房 (2007.2)

再読.
私の持ってるのは古いカバーの方.
一番好きなのが「暗黒の壁」です.
青年達が「大きな壁」に挑む.
現実と,それと対比される壮大なビジョン,
予想外の結末と,それを胸に抱いて先へ進む(だろう)主人公.
現代の「世界系」から見ると冷たいかも知れませんが,
一つの解答なのだろうと思います.
# こんなところで作者は冷たいと言われるんだろうな.
私を構成しているものの大部分の原点がここにあるかも.

沈黙のフライバイ
野尻 抱介著
早川書房 (2007.2)

こちらも再読.
あぁ,読んでるとついついニンマリしてしまう.
JAXAに寸志を寄付したくなります.