そして、全てが遅すぎる

一田 和樹
サイバーテロ 漂流少女
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面白かった、感想じゃないけど。
ネット関係のSEが読んだら面白いor恐ろしいと思う。
小説ですから架空の物語ではありますが、
技術的な面だけ取り上げると実現可能ではあるでしょう。
何にしても思考停止が怖いよね。
いまだに「科学技術が進歩してそのうち解決してくれる」神話って無くならないね。
小説として面白かったので、私だったらこういうお話にした、
とか色々考えてしまう。

つぶつぶオレンジ時空

日経 サイエンス 2012年 5月号
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特集「時空は粒々か? ホログラフィック宇宙を検証」が面白そうだったので久しぶりに買ってみた。
ちなみに私には「購読するとその雑誌が潰れる」というジンクスがあるので、雑誌の定期購読はしない。
「時空がデジタル」っていう発想は自然だよなぁ。
それなら「アキレスと亀」(eg. ゼノンのパラドックス)は何の問題でもなくなると私も考えた。
鬼頭莫宏の「ぼくらの」でも背景にはデジタル時空論がある。
例は枚挙に暇がない。
本題のホログラフィック宇宙論は随分とポピュラーなようで詳しい説明はない。
なぜホログラフィックが「2次元」なのか?
挿絵がこんなだったら分かり易いけど違うんだろうな。

そろそろ物理学のパラダイム転換があってもいい頃。
13次元とか机上の空論をブッ飛ばす実験結果がでてきて欲しいね。

ドボンと恋に落っこちなさいよ

梨屋アリエ
夏の階段
ISBN 978-4-591-11434-6
2010.3
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自称ミドルに向かいつつあるアダルトが描いたヤング アダルト。
「何でも読んでみよう」シリーズで、
普段はあまりみないポプラ文庫の列を眺めてみた。
その中で、何となく引っかかったタイトル「夏の階段」に惹かれて読んでみた。
トマソンとか言わないのが嬉しいよね。
不純粋階段、素敵な響きだ。
だっ、と勢いで先入観を持たずに読んで欲しいです。

変な人間の証明

この日記で紹介している本は流行りのものが多いので、
書店の平棚・平台においてあることも多い。
けれど、すごくマイナーな本が出てるとビックリする。
ちょっと自意識過剰な私です。
先日友人と飲んでいて、
「私は変な人ポジションなんですよ?」
と言ったのですが、
最近は説明しないと理解してもらえない事が多い。
というわけで、
いくつか客観的なデータを示そうと思う。

ハトポポコ (twitter)
平成生まれ 1
ISBN 978-4-8322-4097-1
2011.12
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平成生まれの愉快な面々の朗らかな日常です。
私は目測で血圧を言いあてる原田さんが好きです。

大沖
はるみねーしょん 2
ISBN 978-4-8322-7971-1
2010.12
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著者の名前の読みは「だいおき」です。
宇宙からの留学生、細野はるみと冷静とメガネの平凡な日常です。
普通に空を飛んでいるけど違和感ない。
ね、私は変な人でしょう?

そして未来は子供たちの手に

SF こんにちは、そしてさようなら
まずはオールウェイズ・ベストSF。
久しぶりに読みたくなったの新訳版で、

Robert A. Heinlein, 訳 小尾美佐
夏への扉
ISBN 978-4-15-209059-1
2009.8
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20数年ぶりに読んでみると、意外とエンジニア小説だったのでびっくり。
「現代」が1970年代で、「未来」が2001年、
もう過去になってしまった。
もしくはネコ好き小説の白眉。

若島 正
乱視読者のSF講義
ISBN 978-4-336-05441-8
2011.11
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エセSFファンの私は、
どうもSFマガジンとか読んでもしっくりこない。
なので新刊案内のページだけ立ち読みしてます。
なんだか内にこもってる感じがしてた。
「乱視読者のSF講義」面白かった!
やっぱり外から見るとよく見えることがある。
総論として、私のSF感とかなり近くて、
SFはOlaf Stapledonで終わるんだよなぁ。
でもアレコレ読んでみようと思う作品がたくさん発見できた。

Olaf Stapledon
スターメイカー
ISBN 4-336-04621-2
2004.1
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A. C. Clarkeを経由して私がたどり着いたSFの終着点。
2001年宇宙の旅、幼年期の終わりの原型が見られて、
うれしいやら、かなしいやら複雑な感じ。
ある意味科学的イマジネーションの広がりは、
いまだにこの作品を超えられないのか。

あさり よしとお
なつのロケット
ISBN 4-592-13279-3
2001.8
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これは私の年代にはノスタルジア。
「ここから出発したかった」夢の世界です。
でも、今の小学生はここからスタートできる。
スタートできるかな?
できるだろう…

今井 哲也
ぼくらのよあけ
ISBN 978-4-06-310791-3
2011.11
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そして未来は子供たちの手に。
私のようなジイサンは放おっておいて、時代は進み、
やっぱり新しい未来がやってきます。
数百年後には系外惑星の、地球とは別系統の生命が見られるだろう。
そしていつか、知らない知性と出会うのでしょう。
そのころには私は骨壷の中でしょうが、
いつかそれが実現することを確信させてくれる。

さぁ、武道を始めよう

こざき 亜衣 (twitter)
あさひなぐ 4
ISBN 978-4-09-184260-2
2012.2
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なぎなたっていうと「旧家のお婆さんが」というイメージしかありませんでした。
主に女性の武道、ということは何か理由があるんだろうな。
とか思って読み始めました。
というか、スポ根マンガでした(笑。
5%くらいラブ要素もあるラブコメというか。

秋★枝
的中!青春100%
ISBN 978-4-8322-5041-3
2012.1
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高校時代に総体連の写真係で、弓道の写真を撮りに行った。
それ以来、いつか和弓をやりたいなぁと思って忘れていました。
女性もそうですが男性も凛々しいですよね。
張り詰めた一瞬の緊張感が好きです。
このマンガでそれが伝わるかは分かりませんが、
やってみないと分からないことも多いのだろうな。

かわすみ ひろし
風より疾く 1
ISBN 978-4-06-382078-2
2011.9
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高校時代は剣道or柔道が必修で、私は剣道をやりました。
もちろん3年やったくらいでは身につきませんでしたが。
真剣も持ったことはありませんが、
剣術だと扱うのかなぁ?
母方の実家には錆びた日本刀が残っていて、
子供の頃遊んでいたとか。
今は鉄の包丁で魚をさばいてます。

きくち 正太
そばっかす! 7
ISBN 4-903421-11-2
2006.6
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私が持ってるのは秋田書店版。
ガラスペン使って流麗な線を描くきくちさん。
スポ根も描いていたのでした。
柔道マンガですよ?

Nシステムって案外知られていない?

一田 和樹
檻の中の少女
ISBN 978-4-562-04697-3
2011.5
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著者名を見ると時々アナグラムかなぁと思うものがある。
この著者も知人の名前に似ていたのでもしや、
と思ったけど違った(笑
著者がそれ関係の仕事をやってた人で、
サイバー犯罪を題材にしたものかなと思って読み始めたら、
思わぬ方向へ二転三転。
最後のエピローグが怖かった。
でも、色んな意味でこういうお話も
そのうち通じなくなるんだろうなぁと思う。
蛇足:
数年前「Nシステム使ってスピード違反取締」話が出た。
盛り上がったので免許持ってる人なら皆知ってるかと思ったけど、
私の周りでも、案外みんな知らなかった。

さあ、バンドを始めよう

木村 リノ (twitter)
あじさいタウン 1
コミック用のオフィシャルサイト
ISBN 978-4-89637-382-0
2012.1
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男2女1宇宙人1、平均年齢430歳、でも普通。
メンバー集め、
最初にライブハウスでやること、
他のバンドと話する、
普通にけっこう大変だなと思った。

原作:坂井音太 漫画:玉置勉強
ちゃりこちんぷい 1
ISBN 978-4-08-879266-8
2012.1
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ロックなことはサッパリですが、
好きなことを楽しむというのは嬉しい。
独りでもいいけど、何人か集まるともっといいよね。
私が思うロックな人は矢野顕子さんです。
中学男子で矢野顕子聞いてる人はいなかった。
寂しかった。
今も寂しい。

高田 康太郎
ハレルヤオーバードライブ! 6
ISBN 978-4-09-123480-3
2012.2
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一説によると、
バンドを始める最も大きな動機は「モテたい」だという。
その唯一人の対象が音楽をやってるとそうなんだろうな。
音楽を画で描くのも楽しそう。

渡辺 カナ (twitter)
マシカク・ロック
ISBN 978-4-08-846679-8
2011.7
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親が音楽をやっていると子供も自然にやるようになる、
こともある。
祖父がバイオリンやってて、
父親も祖父にならってやってたけど、
私はやったことがありません。
血筋は悪くないはずなのになぁ?

どっとはらい

加藤 実秋、谷原 秋桜子、野村 美月、緑川 聖司
寮の七日間 ー青春ミステリーアンソロジー
ISBN 978-4-591-12722-3
2012.1
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「放課後探偵団」でアンソロジーに味をしめて。
いろんな作家さんの短編を読むのも面白い。
ネタバレではありませんが、
谷原秋桜子「聖母の掌底突き」のラストで、
ドットハイライトが「どっとはらい」に見えてしょうがない。
わざとやってるのかな?
まだ全部読んでない…

入間 人間
時間のおとしもの
ISBN 978-4-04-886347-6
2012.1
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STEINS;GATEとかで消化不良気味なSF者が読むとすっきりする作品。
「タイムリープ」が夏の季語として歳時記に載りました @2006.8.26
を挙げるまでもなく、日本の「時間モノ」は叙情的な作品が多く、
なぜか理論的背景がすっぽり抜け落ちている。
というか、オザナリもいいところのものばかり。
掌編「未来を待った男」はその点が明快だ!
基本バカなんですが (褒め言葉)、
久々に痛快な時間モノでした。
すっきりした!

小山 愛子
ちろり
ISBN 978-4-09-123586-2
2012.2
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思わぬ発見でした。
矢絣のウェイトレスといっても馬車道だけではないという例ですね。
分からない人は気にしないでください。
どちらかというと女性向けかも。
野暮な解説の要らない作品ですね。
書店で見つけたら、迷わず買ってゆっくり眺めて下さい。
これは、そういうお話です。

わたしたちが観光地には行きたくないと言ったので、

わたしたちが観光地には行きたくないと言ったので、ガイドが連れていってくれたのは、観光地には行きたくないという観光客を連れていく場所だった。
そしてそこは、もちろん観光客だらけだった。
Amazonのオススメは履歴から時々変なモノを提示してくれますね。
これまで読んだ「銀河ヒッチハイク」シリーズや、
カワウソ関連との関係から出てきたのでしょうか?

Douglas Adams, Mark Carwardine
これが見納め ー絶滅危惧の生きものたち、最後の光景
ISBN 978-4-622-07616-2
2011.7
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「モンティ・パイソン」を知らない・嫌いな人は読まない方がいいと思います。
まだ読み始めだけど、
絶滅危惧種に関するお話だけど、
可笑しい。
人間ってバカだからこそ愛すべき存在なのかも。