たまには、ちょっと数学寄り

G. Johnson
量子コンピュータとは何か
ISBN 978-4-15-050361-1
2009.12
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量子コンピュータについては、
「公開鍵暗号を比較的簡単に解けるようになる」、
らしいことしか知らないのでちょっと読んでみた。
最近はSFでも当たり前に出てくるけど、
ちょっと違うんじゃないかと思えるものも多かったので。
知りたかったこととしては、
・量子コンピュータが現在のコンピュータを置き換えるわけではない。
チューリング・マシンと量子コンピュータを比較すると一長一短がある。
現在のところ、ごく一部の特殊な問題を解く場合にのみ有効。
・この本が書かれたのは2003年だけど、その後のニュースを追っても、
実用的なモノができるのは速くてもまだ数十年先か?
まぁ未来の技術なので、これからどう展開していくのか楽しみですね。
ちなみに、むすびの章題がA.C.Clarkeの「九〇億の神の御名」(笑
こちらは1985年(高1の春)に読んでました。

清水 義夫
記号論理学
ISBN 4-13-012018-2
1984.11
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大学時代に読んだものの復習。
当時読んだのは竹内外史先生 (石川県出身)の入門書でしたが、
確認のためにひととおり書いてある教科書を。
知りたかったことは大体記憶通りだったけど、
「述語論理」とか言葉の響きが懐かしい。

思うに劉備がいちばんわるい

こんな入り方をする新書です。
いかにも酒見さんらしい。

酒見 賢一
中国雑話 中国的思想
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文芸春秋(別冊?)で「泣き虫弱虫諸葛孔明」の連載が再開されたので、
その準備(?)で読んでみた。
ってもう大分経つけども。
「陋巷に在り」でもそうですが、
酒見さんの本読んでると、一般的な三国志像が揺らぎます。
ていうか色々発見があって楽しいですよ。
・既存の固定観念ってつまらない
・歴史は生(原典)を読むのが楽しい
・酒見さんの書くことを鵜呑みにしてはいけない
早く「…諸葛孔明」3巻でないかなぁ。

聴き屋の放課後活動

市井 豊
聴き屋の芸術学部祭
ISBN 978-4-488-01768-2
2012.1
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アンソロジー「放課後探偵団」で「横槍ワイン」を読んで、
水原佐保さんの作品が載ってたミステリーズ! vol.40で「からくりツィスカ…」から
気になってた作家さん。
待ってた単行本が出ました!
「聴き屋」
って云わば安楽椅子ナントカかと思ったのですが、
読んでると違うことが判ってくる。
解説的に言うと、
勝手に情報の方から集まってくる感じかな。
そこが聴き屋っていうことだろうなぁ。
「放課後探偵団」
どの掌編も面白いのでオススメです。
残る単行本は鵜林伸也さんだけだ。

相沢 沙呼, 市井 豊 他
放課後探偵団 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー
ISBN 978-4-488-40055-2
2010.11
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カワウソ入門

「…デジタルカメラの最新技術はすべて、あますところなくカワウソ撮影のためのものです。」
by 佐藤 淳一

佐藤 淳一 写真・文
カワウソ
ISBN 978-4-487-80436-8
2010.4
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日本でカワウソに出会うには動物園や水族館に行くしかありません。
でも、カワウソはかなりの時間を寝て過ごしているので、
大抵の人はすぐに他の動物を見に行ってしまうようです。
そのせいもあってか、カワウソの面白さ・魅力は見逃されがちだと思います。
そんなアナタに上記の写真集をオススメします。
ただ眺めているだけでも楽しい。
その上、カワウソが見られる動物園・水族館が紹介されており、
見に行くタイミングや写真撮影のコツなど、
まさにカワウソ入門書といえるでしょう。
個人的に撮影について追加するとすれば、
「動画で撮る」のがいいですね。
最近のデジカメは動画撮影できるものが多いと思いますし。
素人としては高いスキルも必要なく結構手軽です。
私がよく行く越前松島水族館での写真も多いです!

分からない日本のカワウソ

Nipponia nipponといえばトキの学名だ。
では、日本のカワウソはと調べてみて驚いた。
大雑把にいうと、種(亜種)として確定していない。
私が持ってる学生版動物図鑑(昭和6年刊)では、
「かはうそ」:Lutra lutra lutra
つまり、ユーラシア カワウソと同種と扱われている。
ネットで見てみると、
ニホン カワウソ@wiki:Lutra lutra nippon
カワウソ@wikiのニホン カワウソ:Lutra lutra whiteleyi
どうなってる?
もう少し調べてみたところザックリいうと、
「ニホン カワウソが絶滅してしまったので、ユーラシア カワウソと独立した種or亜種かどうかよく分からない。」
ということらしい。
トキやコウノトリがそうであったように、
かつては日本中どこにでもいた哺乳類。
けれど、1990年代に絶滅してしまい、
今や日本人からその存在さえ忘れられようとしている。
下の本が面白かった。
自然保護を訴えるのではなく、
カワウソと人との関わり、とその意義を問うている。
ニホン カワウソの過去と未来を、
日本や朝鮮また欧米の事例と比較している。
トキのように「再導入」することや、その意義さえ、
ニホン カワウソでは問題だらけのようだ。
それでも、いつか日本の河川・海岸で、
再びカワウソが見られるようになるといいなぁ。

安藤 元一
ニホンカワウソ 絶滅に学ぶ保全生物学
ISBN 978-4-13-060189-4
2008.11
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ちなみに「ラッコ」はアイヌ語で、元々北海道にも居たそうだ。
英名はカワウソがOtterで、ラッコがSea otter。
どちらもイタチ科。

彼女には機嫌がいいと鼻唄を歌う癖があって、しかもレパートリーは一曲のみ

「…完全無欠の恋愛小説」
と背表紙に書いてあったが、特に気にしていなかった。
鼻をすすり涙を拭きながら読み終えて、
確かに「完全無欠」かもしれない、と思った。
先入観を持たずに、
恋愛小説が好きでない/苦手な人に、
読んでもらいたい一冊でした。
この文章も感想じゃないなぁ。

越谷 オサム (twitter)
陽だまりの彼女
ISBN 978-4-10-135361-6
2011.6
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名前に騙された

「名前に騙された」というのはツカミで、
実際、書籍に関して私にはそういう覚えがほとんどありません。
閑話休題。
「名前で損をしている本」というのが本題です。
あくまで私の主観ですが、
タイトルがもうちょっと違えば、もっと早く手にしたのに。
という本はけっこうあります。
最近読んだ中から、

水沢 あきと
不思議系上司の攻略法 3
ISBN 978-4-04-886254-7
2011.12
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]

好き嫌いせずに何でも読んでみよう、の一環で読んでみた。
(いい意味で)普通に面白かった。
「萌え」みたいな要素は味付け程度で、
一般的な大人でも嫌味にならないくらいだと思う。
どの出版社も世代が上がってくる「ラノベ」読者を取り込もうと一所懸命。
そういう流れでこういうタイトルになったんだろうな。
わたし的には、それが逆に作用した感じ?
実際、ラノベはあんまり読まないなぁ。

永嶋 恵美
あなたの恋人、強奪します。
ISBN 978-4-19-893259-6
2010.11
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永嶋 恵美
別れの夜には猫がいる
ISBN 978-4-19-893421-7
2011.8
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タイトルから半村良「女たちは泥棒」みたいなのを想像してた。
これは私の勝手な勘違い(笑。
お話の流れは軽く軽快ですが、
決して物足りなくはない。
よく考えてみると(女性にとって)シリアスなことを、
うまいこと切り抜けて(男性にとって)読みやすくなっているような気がする。
本も沢山出しているので、
どんどん読みたくなりました。

まだ読んでいないあの人

久しぶりに年末年始のまとめ読み。
今回のテーマは、
「まだ読んでいないあの人」。

森谷明子
れんげ野原のまんなかで
ISBN 978-4-488-48202-2
2011.9
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図書館司書が主人公のお話、面白くないはずがない!
でも手を出せないでいた一冊でした。
主人公の文子が司書的な好奇心に駆られ動くさまも面白い。
ですが、気が付けばうまく使われていたり、
勝手に空回りしていたりと、
一歩引いて見る楽しさもあります。
図書館的な興味はおいておいても、
主人公の今後が酒の肴になりそう。

柴村仁
4 Girls
ISBN 978-4-04-870278-2
2011.1
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ひねくれ者の私は著名な作家さんの本を手に取るのが苦手です。
というわけで、短篇集を選んでみました。
なんだろう、私としては「お伽話」という言葉がピッタリきました。
状況は決して「よくあるお話」ではなくて、むしろ事件的。
でも、そこでも女の子は普通に生きている。
いい意味でSFっぽい気もする。
伝わるかなぁ?

倉知淳
なぎなた
ISBN 978-4-488-02459-8
2010.9
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これもミステリなのかなぁ?
一見、事件であったものが解体されて、
普遍的な日常に戻っていく(あるいは戻らない)感じ?
短編集ですが姉妹編の「こめぐら」も読んでみたい。

山田彩人
眼鏡屋は消えた
ISBN 978-4-488-02483-3
2011.10
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「主人公がバカ」なのがいいと思います、いい意味で!
って書くと身も蓋もないですが。
いきなり主人公の「この8年の記憶がない」。
ってちょっと気が引けて買うのを躊躇しました。
でも、このことが主人公のバカさを引き出して、
物語を引っ張ってくれるのが面白かった。
もちろんミステリ的にも面白い仕掛けだと想像するのですが、
私はミステリ読みではないのでそこの評価は分かりません。
とにかく、普通に面白かったということで。
ただし、ラブ成分を期待すると痛い目見るかも?

平安寿子
こっちへお入り
ISBN 978-4-396-33627-1
2010.12
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私の中では数年おきに落語ブームがやってきて…
落語に絡めた主人公、33歳独身OLの人生泣き笑い。
これも普通に面白かった。
そうは言っても私は彼女の一回り年上で独り身なので、
笑っている場合ではないですが。
落語用語で解説されている「へっつい」ですが、
母に聞いたら「へっついさん」と呼んでいたとか。
祖母の代わりに時々竹でフーフーやっていたそうです。

相沢沙呼
ロートケプシェン、こっちにおいで
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「午前零時のサンドリヨン」が良かったので、その続きも。
オビには
「須川君(主人公)のなかなか進まない恋の行方…」
とありますが、
だんだん不憫に思えてきたよ。

渋皮栗

本屋さんで気がつくと目が行く「片山若子」さんの表紙。
私が持ってるものだけ並べてみた。
渋皮栗 片山さん公式HP

春期限定いちごタルト事件
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夏期限定トロピカルパフェ事件

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秋期限定栗きんとん事件 上

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秋期限定栗きんとん事件 下

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ハローサマー、グッドバイ

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ということで、画集が出てました。
片山若子画集 渋皮栗
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コイモノガタリ

西尾維新
恋物語
ISBN 978-4-06-283792-7
2011.12
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ネタばれにならないようにと思うと…
いろんな意味で「サギ」でした。
いや、いい意味で。
ストーリー変幻自在ですね西尾先生。
神様さえ、…
ていうか、まだ続くのか。