ケルトではアザラシは皮を脱いで、

人になるという民話というか伝承があります。
ということを高校時代に読んだ本で知ったのですが、
どの本かは忘れてしまいました。
手元に持ってはいるんですが。
というようなことを思い出して久しぶりに読んだのがこの本でした。

Rosalie K. Fry
フィオナの海
ISBN 4-08-773251-7
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昔、TVでやったときに録画し忘れて見逃して以来、映像化は見ていません。
改めて読んでみると、映像化を見るのは怖いかも。
とか思いました。

カワウソの生い立ち

Ursula K. Le Guin
ゲド戦記外伝
ISBN 4-00-026468-0
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短篇集です、最初の作品が「カワウソ」。
主人公の通名がカワウソでした。
後のアジサシと呼ばれ、…
どうなのかな?
欧米でのカワウソのイメージって肯定的なのか否定的なのか、
それはこの作品の本質とは関係ないとは思うのですが。
日本ではキツネやタヌキと同列で化かす者という括りだと思うけど、
ちょっと向こうでの「カワウソ」のイメージが気になる。

久しぶり二題

宮部みゆき
ICO
ISBN 4-06-212441-6
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Ursula K. Le Guin
こわれた腕環
ISBN 4-00-026462-1
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この一ヶ月で再読しました。
ある意味、似た筋立てなのかな?
暗く沈んだ世界観の中で、ゆっくりと展開する物語。
やがて、少年は少女と出会い、少女は青年と出会い、
物語から外の世界へと出ていく…
その先にあるものは、必ずしも明るい未来ではなく、
むしろさらなる試練を予感させますが、それはまた別のお話。
一瞬のキラメキ、なのかな?
私がこの2つのお話で感じているものは。

村上水軍


上巻を読み終わり、下巻を読み始めるところ。
特に気にしている訳ではないのですが、普段はあまり話題作を読みません。
父が買っていたので、母が読み終わったタイミング読み始めました。
史実を織り交ぜつつ、軽いタッチで読みやすいですね。
村上海賊、といえば私は村上水軍という呼称から知りました。
そんな今日このごろ。

カワウソについて

カワウソの魅力、を人に伝えるのが私は苦手で下手です。
それで、ちょっと遡って私がカワウソに取り憑かれた頃を探ってみました。
ー かわいた土の上を走っているとき以外のかわうその動きを表わす唯一の適切な言葉は、「あふれ出る」である。かわうそは自分の目標に向かって自分を、いわば、注ぎかけるのだ ー
Gavin Maxwell「かわうそ物語」リーダーズ ダイジェスト名著選集 より
絞るとこの文章なんだろうな。
著者の文章力も大きいと思いますが、それよりむしろ、カワウソに接する姿勢が面白かったのだと思います。
読んだ当時は挿絵の写真数枚だけでカワウソを見ていましたが、私の頭の中で勝手に膨らむ想像がカワウソをより魅力的にしていきました。
しかし、この本を読んだ20数年前には既にニホンカワウソは絶滅危惧種であり、簡単に見ることができない状況でした。
ふとしたキッカケで、一昨年に初めて生きたカワウソを見ることができました。
知らない間に、あちこちの水族館や動物園で見ることができるようになっていたのですね。
しかし、実際に見たカワウソは私の想像をはるかに超える生き物でした。
この感情をどんなふうに表現したら伝わるだろう?

Gavin Maxwell 他著
リーダーズ ダイジェスト名著選集 12
1963
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missed (you) much

何だかよく分からないけれど、
この曲を聴くとこの本を思い出すということがあります。
大島ミチル・Pentagon “ICO -You were there-”
を聴くと
Ursula K. Le Guin 「こわれた腕環」 The tombs of Atuan
を思い出す。
小説版の「ICO」も読んでいて、
そのラストではこれを掛けながら読んだのですが。
それでも「ICO」よりも「こわれた腕輪」を思い出す。
最後の”崩壊により開放される少年少女”のイメージが重なるからなのかと思いますが、
なんだろう?
熊木杏里「君の名前」
を聴くと
村上春樹「1Q84」
を思い出す。
この曲もNHKの番組「ワンダー×ワンダー」エンディング・テーマで耳に入り買った曲です。
「1Q84」は親から借りて一度読んだだけ。
共通するのは「月」という単語のみ、
それぞれの月のイメージは違うベクトルな気がするのですが。
オチはありませんでした。

SFとは思考実験である。

Peter Watts
ブラインドサイト 上・下
東京創元社
ISBN 978-4-488-74601-8
ISBN 978-4-488-74602-5
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面白かった〜!
1,2年後にはこの方法論を使ったアニメがどんどん出てくる気がする。
かどうかはともかく、吸血鬼を科学的に蘇らせたのには驚きました。
というか、「意識」というものの胡散臭さ(テッド・チャンは否定的だけど)については、
私が漠然と思っていたこと「自我というのは勘違い」が大筋では正しいというのが面白かった。
それを裏付ける科学的な成果も出てきているようですね。
その逆の論文が紹介されていないだけかもしれませんが (w。
物語として面白いかどうかはともかく、
久しぶりにSF分を補充できました。

2つの記憶

最近引っかかったことから、「記憶」に関する2題。

2B PENCILS
初めて恋をした記憶
JAN 4-988102-174606
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原作・アニメとも触れていないので、よく分からないのですが、何か引っかかった。
でも「記憶」が作品上のキーワードになっているようす?

Michael Coney
パラークシの記憶
I Remember Pallahaxi
ISBN 978-4-309-46390-2
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前作「ハローサマー、グッドバイ」から読み返したので読み終えるのに時間がかかりました。(当人比)
いやぁ、よいSFでした。
こちらはタイトルの「記憶」が多様な意味を持ちます。
文字通りの記憶であったり、人のそれとはちょっと違った形であったり。
特にSF的な前知識が必要ないので、みんなにオススメしたい一冊です。

ラジオの時間

Webラジオを聴くようになって1年余り、一番聴いているのは阿澄佳奈さんのラジオです。
阿澄さん、ご自身もラジオ好き(聴くのもやるのも)と言われていますが、ほとんど途切れることなく常にラジオ番組をやっていますね。
で、阿澄さんのオシャベリのどこが好きなのかというと、よく分かりません。
とはいえ、一つ気が付いたのは「ニュートラル」に感じるんですね。
もうちょっと言うとギアがニュートラルに入っている、というような?
なんてことを考えていたら、次のムックにもそんな記述が、

声優ラジオの時間 NEXT SEASON
ISBN 978-4-86298-098-4
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p.105 の長田さんの記述に
「確かに趣味はあまりなかったりしますが(笑)。それを言い換えるなら器のデカさではないかと。普通の感覚ってあるじゃないですか。…阿澄さんは自分の好みで偏ったりせずに、…」
なるほどなぁ、とか思ったりしました。
ちなみにこの長田さん、私がWebラジオを聴き始めたYAMAKING!!のディレクター・構成作家でもあるんですね。

日本海の人魚

「人魚は、南の方の海にばかりすんでゐるのではありません。北の海にもすんでゐたのであります。」from 赤い蠟燭と人魚
と小川未明先生は云いました。
さて日本海にはどんな人魚がいるのでしょう?

小森羊仔
青い鱗と砂の街 1
ISBN 978-4-08-845090-2
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相変わらずですが、人魚、ということで買って来ました。
この方の作風は叙情的というよりは叙事的だと思うのですが(そこが好きなのですが)、どうお話が進むのでしょうか?
楽しみでもあり、怖くもある。